理不尽な世界
生まれた場所は選べない。
生まれもった基礎能力も、変更することはできない。
家庭環境が悪かったり、発達障害をもっていたとしても、この社会で生きていかなければならない。
生きることを強いられる。
他者に迫害され、精神に障がいを負ったとしても、生きていかなければならない。
強く生きていかなければならない。
何十年も働き、この世界で生きていかなければならない。
ちっぽけな光を信じて、走ってゆくしかない。
たとえどんなに世界が絶望的だったとしても。
前向きにたくましく生きていくしかない。
虚構の笑顔を作り、無理に明るく振る舞う。
当たりさわりのない会話をし、自分に余裕もないのに他者を気遣う。
どんなに苦しかったとしても。
理不尽な世界で、私たちは生きてゆく。
自分は幸福だと言い聞かせながら。
【レビュー】『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(灯火の星)
スマブラSPの遊びは多岐に渡るので、アドベンチャーモードの<灯火の星>についてのみ、レビューします。
光の化身キーラの一撃によって、スマブラSPのファイターたちは全滅。
ただひとり、カービィを除いては。
キーラはすべての生物の身体を奪い、キャラクターたちはスピリッツと呼ばれる思念体となった。
さらにキーラは、ファイターたちの母体から、コピーを大量生産。
その数の力で、世界を征服し、新たなる創世を狙う……。
打倒キーラを目指し、プレイヤーは広大なマップを進みます。マップはすごろくのようになっており、一マスずつ戦って、ファイターやスピリッツを解放してゆきます。
ファイターにはスピリッツを装備させることができ、攻撃力や防御力の強化、特殊能力をつけることなどができます。
スピリッツの数は1299体という、とんでもない数です。参戦ファイターの原作ゲームに登場したキャラクターに加え、過去の任天堂ゲームのキャラクターもスピリッツに入っています。(なんとモグラ~ニャも!)
なつかしのゲームのキャラクターを仲間にできるのは、非常に感慨深いです。
マップも様々な工夫が凝らされており、原作ゲームをモチーフにしたものも多数登場します。
ドンキーコング風のマップや、カービィのグルメレース、ストリートファイターのワールドマップなどもあります。
いずれもなつかしく、関連するスピリッツをゲットできると、純粋な喜びがありました。
システム的には、たくさんのキャラクターを扱うスマホゲームの仕組みが取り入れられているのだと思います。ですが、システムにノスタルジー(プレイヤーの思い出)が、きちんと含まれているので、新鮮さと郷愁が入り混じる、奇妙とも言えるおもしろさを体験することができました。
ラストまでの道のりは長いですが、エンディングまでのプレイをおすすめします。
やっぱり、最後は感動しますよ。
クリア時間 22時間
【レビュー】『ゼノブレイド2 黄金の国イーラ』
『ゼノブレイド2』の追加コンテンツですが、パッケージ版もあります。
ゼノブレイド2本編から時代はさかのぼり、聖杯大戦が起こる少し前から物語ははじまります。天の聖杯であるメツが、世界を焼き尽くすのを防ぐため、主人公たちはメツの討伐に向かいます。
主人公はシンと、シンのドライバーであるラウラです。
舞台は新規マップであるイーラと、グーラになっています。追加コンテンツとは思えないほどのボリュームで、充分に一本のゲームとして成立しています。
戦闘システムも手を加えられており、ブレイドとドライバーを切り替えて戦う形になっています。前衛と後衛を切り替えるときに攻撃が発生したり、後衛でも技を自動で出すなど、手数が増えているため、スピード感のある戦闘となっています。
また、ヒトノワという、ゼノブレイドのキズナグラムを彷彿とさせるシステムがあります。NPCを助けたりして、キズナを深めると、ヒトノワに登録され、人間関係が発展してゆきます。終盤では、このヒトノワのレベルをある程度まで高める必要性があります。
ゼノブレイド2本編をやっていればわかるのですが、イーラは聖杯大戦によって滅びます。ヒトノワを築いたとしても、イーラが滅亡するということに、変化はありません。
つまりプレイヤーは、滅びるとわかっている世界に住む人々を救うために、ゲームをプレイすることになります。
しかし、その行為が決して無駄ではないことは、エンディングまでプレイすればわかると思います。
クリア時間 20時間
やりこみ要素を含めると 40時間
【レビュー】『The Last of Us』(ラスト・オブ・アス)
The Last of Us(ラスト・オブ・アス) PlayStation3 the Best - PS3
- 出版社/メーカー: ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- 発売日: 2015/01/22
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログ (1件) を見る
アメリカを舞台にしたTPSのゾンビゲームです。
感染拡大により荒廃した世界を、中年男のジョエルと 14歳の少女・エリーが旅します。
プレイヤーは主にジョエルを操ります。
目的地に向かって、道なき道を進んでゆくのですが、マップはありません。
なので、どうやって先に進めばいいのかわからなくなることがあります。
このゲームに限らず、3Dのゲームは地形を複雑に設定できるため、迷うことがよくあります。
ただ、『The Last of Us』は、感染により崩壊した世界を舞台にしているため、迷いながらも道を切り拓いていくことに、リアリティと妥当性を感じられます。
また、エリーの手を借りなければ、先に行けないこともあります。
エリーはプログラム的にはAIが操っているにすぎないのですが、ジョエルに娘を亡くした過去があるため、プレイヤー=ジョエルはエリーに感情移入してゆきます。
そのため、二人で旅をすることに実感をもてるのです。
リアルなグラフィックと、リアルなキャラクター、そしてリアルなシステムが、
このゲームをおもしろくしているのだと思いました。
クリア時間 18時間
【レビュー】『タイムトラベラーズ』
『428~封鎖された渋谷で~』を手がけた、イシイジロウさんの作品です。
『428』のように、キャラクターを切り替えながら進める、アドベンチャーゲームです。
3DS、Vita、PSP版があり、僕は3DS版をプレイしました。
5人の主人公は、東京消滅の危機を防ぐため、奔走します。
その模様は、フルボイス・フルモーションで描かれます。
3DCGで表現されたキャラクターがよく動き、画面に退屈することはありません。
『タイムトラベラーズ』というタイトルからわかる通り、主人公たちはタイムトラベルをします。
選択肢を選び、バッドエンドになったとき、過去にタイムトラベルをして、選択肢を選び直すことができます。
つまり、選択肢を選び直すという行為が、タイムトラベルという形で理由づけられているのです。
ストーリーはスケールが大きく、展開はスピィーディーです。
冒頭で起こるバスジャック事件を皮切りに、次々とテロが発生します。
プレイしはじめると、やめどきが難しくなるほど、のめり込みました。
『428』をプレイしたことがある人は、本作もプレイしてみてはいかがでしょうか。
クリア時間 12時間